vol.3

 

『善き門外漢』vol.3のテーマは〈アウトサイダーの向上心〉。
向上心あるアウトサイダーの、燦然と個であるからこその、個の突端を磨いているからこその、独創と発展の可能性を探りました。また〈アウトサイダー〉、〈アウトサイド〉という言葉から出発して、言葉あそびや脱線のようなものまで、さまざまなページがうまれました。

 

 

目次はこちら。Booksのページに見やすく掲載しているのでそちらもご参照ください。

 

 

テーマのとびらページはこのようなかんじ。表紙にも登場しているそらまめが今号のキーとなるモチーフです。単純に春、ということだけでない意味をこめています。

 

 

大きく時間とページを費やした〈千利休とエリック・ホッファー〉。戦国時代、信長、秀吉という大権力者に仕え、侘び茶を大成し、死後400年以上経ったいまなお茶の湯天下一の名を欲しいままにしている茶人、千利休(1522-1591)と、貧しいドイツ系移民としてアメリカに生まれ、失明、天涯孤独など数奇な運命を辿りつつ、波止場で肉体労働をしながら思索と著述を続けた社会哲学者、エリック・ホッファー(1902-1983)、とつぜん気になりだしたまったく接点のない二人を追って見えてきた、孤高のアウトサイダーの生きざま。

 

 

戦国の歴史にも、アメリカ社会にも疎いながら、昨年夏から両者にかんする資料を読み進め、ずいぶん長いあいだこの2名とともにあった気がします。〈利休をめぐる戦国茶の湯まみれ人物相関図〉は、作りはじめてやや後悔をしてしまったほど、まとめて図に仕立てることに苦労しました。ただ、文中には登場させられなかった人物もこの図には沢山いて(この図にうまく入れこめなかった人物だって当然いる)、すこしでもこの時代ぜんたいが匂ってくれば、そして興味の種はすこしでも多く蒔いておきたいなとおもって完成させました。

 

 

〈『波止場日記』とのパーソナルな対話 〉では、ホッファーといえば、の『波止場日記』を読んでいると与えられるさまざまな示唆に応じたくなる欲求そのままに、『善き門外漢』らしくパーソナルに、エモーショナルに、おもうところを書きました。

 

 

〈アウトサイダー往復葉書〉は、2015年東京芸術大学を卒業時に、卒業制作展買い上げ賞、2016年にはポコラート全国公募展で 鴻池朋子賞を受賞するなど、まさに個の突端を磨き発展しつづけているアーティスト、室井悠輔さんと、2016年11月から2017年1月の期間、往復はがきを使って文通をした11往復の記録です。文通といっても文はあったりなかったり、狭小なはがきの空間はいつも自由、次はどうくるか、じぶんはどういくか、ドキドキハラハラ、疑心暗鬼、試行錯誤で突き進み、結果大きな一枚の絵になった感覚です。室井さんとはもともと善き友だちなのですが、この企画中、取り決めがあったわけでもないのにはがき以外での連絡はお互い自然としなかったのが、いま振り返ってみると面白いです。

 

 

『善き門外漢 ビヨンド』に収録したものを加筆・修正して再録した〈出る杭の来た道〉は、まさに今号のテーマにぴったりの内容です。いってしまえばほとんど実話なのですが、掌編小説の形をとっています。学生時代、新社会人時代、気づけばずっと「出る杭」だった思い出、それでも誰かに決められたりしないで生きてきたしこれからもそう、というおもい。さらには選んでこなかった、見過ごしてきてしまった「無意識の通行人」すらも、これから掴まえてゆこうという野心まで。もしこちらを気に入ったら、ぜひ『善き門外漢 ビヨンド』も読んでほしいです。

 

そのほか箸休めてきな猫ページ〈戸外であそぶ〉、都築響一・語り『圏外編集者』(朝日出版社)の読後感を書いた〈「圏外」って言葉にもっと早く気づけよ読後感想文〉、「手足口病」からの連想を機に逞しくなるとんまな想像力を晒した〈言葉の外観〉、10年来心のどこかに引っかかってきた『阿Q正伝』をもういちど〈心にすんでる阿Qのバカ〉、人で溢れるターミナル駅を楽しむ心持ちを指南した〈ターミナル駅では〉、歩くことでいやおうなくわき上がるあれこれ〈一月、散歩道の詩と死〉を収録。

 

フルカラー56p、既刊よりページ数200%アップの読み応えで、価格は¥1,000(税抜)です。
とにかくたくさんの人に読んでいただきたいです。

 

発売前にご案内したこちらもあわせてぜひご覧ください→ vol.3、カミング・スーン

 

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